むくみ(浮腫)の好発部位
むくみというのは、体内の水とナトリウム(食塩)が過剰になった状態です。むくみは全身のあちこちに現れる可能性があります。また部分的に起こる場合もあります。
したがって、むくみという場合、それが全身に起きているのか、それとも局部的なものであるかをまず確認することが大切です。
局部的なむくみは、血管、この場合、静脈が、浮き上がっているかをチェックします。皮膚の色はどうでしょうか。むくんでいる場合、通常、指で押すと、へこんだ跡が残ります。これを「圧痕」といいます。これはすぐにまた元にもどります。しかし、一部、甲状腺機能低下症などによってむくみが生じている場合は、押してもへこみません。
一方、全身的なむくみの場合は、重力の影響を受けますので、それが体位に関係するかどうかを確認します。全身のあちこちにむくみを起こすものとしては、心臓や腎臓、肝臓の疾患や、内分泌機能障害があります。また、低栄養の場合にもむくみが出ます。女性では、月経前にむくみが出る人がいます。その他、はっきりとした理由がなくむくみが出ることがあり、これを「突発性浮腫」といいます。
むくみの起こりやすい部位を「好発部位」といいます。それぞれの部位別に、疑われる病気や原因をあげてみます。
*身体正面
顔
●月経前
●ステロイド剤などの影響
まぶた
●ネフローゼ症候群の初期
●急性糸球体腎炎
おなか
●肝硬変
●慢性腹膜炎
●慢性収縮性心膜炎
足
●うっ血性心不全
●妊娠
●脚気
●下肢静脈瘤
●深部静脈血栓
*身体の背面
背中
●うっ血性心不全
●急性心膜炎
妊娠中のむくみ
妊娠中の女性の身体には、さまざまな変化や問題が起こります。つわり、腰痛、便秘、頻尿、痔、立ちくらみ、そして浮腫(むくみ)など、です。
ここでは、浮腫(むくみ)についてその原因、および生活上の注意点をあげたいと思います。むくみというのは、体内の水とナトリウム(食塩)が過剰となった状態をさします。
妊娠中のむくみは、特に、足に生じることが多いです。また、夕方から就寝前にかけてひどくなるのが一般的です。朝になると、殆どなくなってしまいます。むくみの原因は、ビタミンB1やたんぱく質の欠乏、貧血、血行障害、心臓病、妊娠中毒症などが考えられます。いずれにしても、早朝からむくみがひどい場合や、尿の量が減少した場合には注意が必要です。また、妊娠中は体重が増えるのは当然ですが、その増え方があまりにも多すぎる場合、たとえば、1週間に450グラム以上も増加してしまうような場合には、特に注意すべきです。そのような場合は、早々に医師の診断を受けましょう。
では、日常の生活面ではどのようなことに注意したらいいのでしょうか。
毎日の生活のなかでは、立っている時間を極力少なくします。過労や睡眠不足もむくみを招くことがありますので避けるようにしましょう。また冷えもよくありません。保温に気をつけます。それでもむくみがちな場合は、就寝時に足を高くすると効果があることがあります。また、症状が軽い場合でも、塩分を摂り過ぎないように気をつけ、水分摂取も過剰にならないようにします。
むくみの分類
むくみは、部分的に現れる場合と全身のあちこちに現れる場合があります。むくみを考えるときには、まず、それが「A.」全身のあちこちに生じているものなのか、それとも「B.」身体の一部にのみ現れているか、を見分けます。
Aの場合は、次ぎに、そのむくみが1.体位に関係があるのか、2.体位に関係がなく起こっているのか、を確認します。むくみは、体内の水とナトリウムが過剰になった状態であることから、そのたまり方には重力が影響するからです。体位に関係がある場合、立っていると足に、横になっているときには背中などにむくみが生じるという状態を言います。Aの場合に疑われるのは次の病気です:
「A.」全身に生じるむくみ
1.体位に関係がある
●うっ血性心不全
●急性心膜炎
●急性心糸内膜炎
●ネフローゼ症候群
2.体位に関係がない
●肝硬変
●妊娠
Bの場合は、1.血管が浮き上がっているか、2.浮き上がっていないか、が次ぎの確認ポイントとなります。この場合、血管というのは、静脈を意味します。Bの場合に、疑われる病気をあげてみます:
「B.」身体の一部分に生じるむくみ
1.静脈が浮き出ている
●下肢静脈瘤
2.静脈が浮き出ていない
●静脈血栓症
むくみという場合、普通、指で押すとへこんで、すぐにまた元の状態になります。これを圧痕といいます。ただし、甲状腺機能低下症などのむくみの場合は、押してもへこみません。このように一概に「むくみ」といっても、いろいろありますし、その原因もさまざまですから、簡単に考えることは禁物です。医師の判断を受けることが大切です。
うっ血性心不全とむくみ
全身のあちこちにむくみが生じ、しかも立っていると足が、横になっている背中がむくむ、というようにそれが体位に関係がある場合で、呼吸困難などの症状がある場合には、「うっ血性心不全」が疑われます。うっ血性心不全は、中高年以降、老年者に比較的多い疾患とされます。
「うっ血性心不全」とは?
心臓は、収縮して血液を拍出し、もとに戻るときに上流の心房を通った血液が心室に流れ、それに伴って肺動脈や大動脈から血液が心臓に戻るという仕組みです。ところが、さまざまな心疾患が原因で心臓の収縮力が弱まり、身体のあちこちの臓器や組織に必要充分な血液を送りだすことができなくなった状態を「心不全」といいます。心不全になると、身体の静脈に血液のうっ滞が起こります。この状態を「うっ血性心不全」というのです。
うっ血性心不全とむくみ
うっ血性心不全になると、全身の臓器や組織への血液の供給が不足し、肺や静脈系のうっ血が生じます。そのためさまざまな症状が出てきます。
最もよく見られる症状は、呼吸困難や肺浮腫、および全身の浮腫です。浮腫というのは、いわゆる「むくみ」のことです。浮腫は、肺静脈、抹消静脈の内圧の上昇と拡張によって、血管内の水分が血液外の組織に浸出したことが原因です。また腎臓が、逆に水分とナトリウムの排泄を少なくしようとする、つまり尿の量を少なくするということですが、そのようにホルモンや神経系を介して調節するためにますますむくみが増強するのです。
心不全の場合のむくみとその対策
さまざまな心疾患が原因で心臓の収縮力が弱まり、身体のあちこちの臓器や組織に必要充分な血液を送りだすことができなくなった状態を「心不全」といい、身体の静脈に血液のうっ滞が起こります。この状態を「うっ血性心不全」といいます。
うっ血性心不全になると、全身の臓器や組織への血液の供給が不足し、肺や静脈系のうっ血が生じます。そのためさまざまな症状が出てきます。なかでもよく見られる症状のひとつが、全身の浮腫、すなわとち「むくみ」です。
浮腫(むくみ)は、血液中の水分が血管の外に出てたまった状態です。これらの水分は重力の影響を受けますから、立っている場合にはまず両足がむくみます。また寝たきりの患者さんの場合は、腰や背中にもむくみが生じることがあります。やがてこれらのむくみは、全身におよぶようになり、肋膜腔(ろくまくくう)に水分がたまることもあります。むくみが進むと、体重が増加し、疲労感や倦怠感が強くなります。肺に浮腫(むくみ)が生じた状態が「肺水腫」です。空気が出入りする呼吸器に水がたまってしまった状態で、呼吸が著しく妨害します。肺水腫は、急に発作として生じることがあり、非常に危険な状態です。
心不全を悪化させる要因のなかには、塩分や水分の過剰な摂取があります。特にむくみがある場合は、水分の摂取を控え、1日500〜1000ミリリットルくらいを目安にします。塩分については、症状に応じて4段階にわかれ、10グラム以下、7〜8グラム以下、5グラム以下、3グラム以下、とされます。



